診療補助とは、読んで字のごとく医師の診療を補助する行為のことです。ですから、医師と共に患者と接しているときはもちろん、医師の指示に基づいて採血や注射、処置などを行うことも診療補助に当たると解釈されます。 このような診療補助を行うことを法的に認められている職業を診療補助職と言い、看護師以外にも保健師、助産師、歯科衛生士、理学療法士、臨床検査技師、義肢装具士、救急救命士などの資格をもつ人も診療補助の業務を行うことができます。 しかし、医療現場で行われる行為のすべてが診療補助として認められるわけではありません。 例えば、患者の診療自体や手術は医師の資格を持った者にしか認められない行為なので看護師はすることができませんし、処方箋や診断書の発行についても同様です。 ですから、そのような行為を仮に医師の指示があったとしても行うことは許されないのです。もし行った場合には違法行為となり、処罰の対象となりますから注意しましょう。 実は、一般の人々が看護師の診療補助行為として真っ先に思い浮かべる静脈注射でさえ、10年ほど前までは違法行為と判断されるものだったのです。 と言うのも、厚生労働省による行政解釈の変更が行われた2002年の時点で、実際に約95%の医療機関で医師が看護師に静脈注射の指示を出し、90%以上の看護師が日常業務として静脈注射を行っていました。つまり、それが看護師の診療補助の範疇に属すると認められるまでの約50年間はグレーゾーンのまま、慣習的に行われていたことになります。 このように慣習的に行われていることでも違法行為となり、処罰の対象となってしまう可能性があるわけですから、看護師自身がきちんと勉強し、看護師が行ってはいけない行為というものを正しく理解しておく必要があるのです。 特に個人病院やクリニックなどでは、人手不足を理由に、看護師や医療事務員に対して、医師の仕事の範疇にあるものだけでなく、薬剤師の仕事に属するような行為も違法にさせているケースがあるようです。 もし、違法行為に当たるかもしれない行為を医師の指示で日常的にやらされているのであれば、それはしかるべき外部機関に相談して、自身の免許に傷が付かないよう、自らの手で守らなければなりません。