看護師不足の原因
昨今、「看護師が不足している」という話をよく耳にしますが、看護師不足の原因には、いくつかの問題が考えられます。
まず、第一に待遇面の問題があるでしょう。
看護師は他の職業に就いている同年代女性よりも高い給料をもらっていると思われがちですが、夜勤があることや、重労働であることなどを踏まえると、それに見合っただけの賃金が支払われているとは言いかねます。
そのため、できるだけ条件のよい職場へと看護師が集中し、慢性的に看護師が不足している職場というものができてしまうのです。
また、看護師になってから1年未満の離職率が1割近くあるという点も原因の1つと考えられるでしょう。
看護学校で教わったことと、実際に現場に出てからのギャップが大きく、その現実を受け止められないまま辞めてしまう人が多いということは大変問題であり、このことが看護師免許を持っているだけで看護の職に就いていない潜在看護師を増加させているのです。
更に、看護師の9割以上が女性であるため、結婚や出産を理由に離職する率が高いということも原因の1つに挙げられます。
特に病棟勤務は夜勤があり、勤務時間も不規則になるため、家庭を持つ看護師には続けにくい面があります。
もしそのうちの何割かが復職したとしても、復帰の際には勤務時間が一定で休診日もあるクリニックなどを選んで働く例が多いため、病棟勤務の看護師は不足したままの状態になるのです。
しかし、これらの原因よりももっと大きな問題としてメディアなどでも取り上げられた原因があります。それは2006年の診療報酬改定で7:1入院基本料が新設されたことから生じた地域格差の問題です。
もともと都市部には医療機関が集中しており、地方よりも給与水準も高いため、看護師が大都市圏に集まる傾向はありました。
しかし、7:1入院基本料の新設が決まって以降、都市部にある大病院や有名私立病院はその基準を満たすために、破格の条件を提示し看護師の大量採用を行ったり、地方からの引き抜きを行ったりしたため、その傾向に拍車がかかったのです。
このあおりを受け、看護師を確保できなくなった地方の公立病院や中小の私立病院は、これ以降慢性的な看護師不足に陥る事になりました。
人手を必要とする診療科を閉鎖してその分の看護師を他科に回してしのいだり、3交代で行っていた業務を2交代で乗り切ろうとしたりする病院もありましたが、残された看護師たちは、人手が減ったせいで過酷な労働を強いられるようになり、少しでもましな条件の職場を求めて転職することを考え出します。
そのため、このような病院では慢性的に看護師が不足した状態になるのです。
看護師不足はこれらのことが複雑に合わさって起こり、深刻な問題となっています。
このような看護師不足を解消するためには、看護師が仕事を続けやすい環境を整備したり、過酷な労働内容を見直したり、待遇面を改善したりすることが重要です。
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