看護師の離職率
看護師の離職率は、他の業種よりもかなり高いと言われています。
実際に社団法人日本看護師教会が看護職確保定着推進事業の中で行った調査では、2009年度の病院に勤務する常勤看護師の離職率は11.9%、中でも特に新卒看護師の離職率は8.9%と高い値になりました。
この値を見ると、看護師の労働環境の過酷さが想像されるため、看護師を目指す人にとっては不安材料となるかもしれません。
しかし、この数字をそのまま鵜呑みにしてしまうのは間違っています。というのも、この数字の中には、それまでの勤務先を辞めたものの看護師として別の職場に転職した人や、しばらく時間をおいた後に復職する人も含まれているからです。
もちろん、離職者の中には看護師以外の仕事をするために辞める人もいます。しかし、それは離職者全体の3割程度と言われており、残りの7割は看護師自体を辞めているわけではありません。
ですから、離職率の数字だけを見て、それだけたくさんの人が過酷な労働条件を苦に看護師を辞めていると思い込むのは間違っているのです。
看護師はその9割以上が女性という職種であるため、どうしても結婚、出産、育児、夫の転勤、親の介護などといった家庭の事情に左右される割合が高くなります。そのため、一旦は離職しても、目の前の問題を片付けてから復職するということが多いのです。
ですから、調査で出た離職率の数字の中には、転職のために離職した人も、家庭の事情で一旦離職して、数年後に復職する人も含まれているという事を注意して見る必要があります。
また、社団法人日本看護協会が2008年10月に行った別の調査からは、離職率には地域差があるということもわかりました。
医療機関が集中している大都市圏では、転職先の選択肢が多いために、よりよい条件を求めて転職する人が多く、離職率も高くなっているというのです。
このことからも、看護師の離職率はそのまま看護師という仕事を辞めてしまっている事にはつながらないということがよくわかります。
ですから、離職率の高さだけを鵜呑みにして、看護師の職場は過酷で続けにくいものと思うのは間違っています。
逆に、この値の高さは、様々な職場や働き方を選択する余地があることを示していると考えることもできるからです。
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