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看護師だけでなく医師も不足している

近年、看護師不足が声高に叫ばれていますが、医療現場で不足しているのは何も看護師だけでなく、医師も不足しているというのが現状です。

厚生労働省が行った「医師法第25条に基づく立ち入り検査」によると、2009年度の調査結果における医師の配置基準の充足度は全国平均で90%で、特に近畿地方では95.7%という高い数字が出ました。
これを見る限りでは医師不足が起きているとは感じられないのですが、実は北海道、東北地方の充足度は77.8%と低く、地域差が大きいというのが現状なのです。
このような格差が生まれる背景には、僻地や離島などに勤務することを容認する医学部生が極端に少ないということがあります。
実際に、僻地での勤務を選ぶことによって学費が免除される自治医科大学の卒業生であっても、6割が学費を返納してまで大都市圏での勤務を希望しているという話があります。
ですから、地方大学の医学部出身者であっても地方に残ることは少なく、大都市圏に医師が集中してしまうという結果になります。

とは言え、このような僻地における医師不足は、かなり以前から続いていたことで、今に始まったことではありません。
むしろこれ以上に深刻化している医師不足の問題があり、それは大都市圏でも起こっていることなのです。

まず目立つのが勤務医の不足という問題です。
開業医と比べて圧倒的に数の多い勤務医ですが、入院に対応したり当直をこなしたりしなければいけないため、休診日のある開業医とは違い、勤務時間が長く、休みもなかなか取ることができません。
しかも、賃金はそれほど高くなく、常に訴訟と隣り合わせで仕事をしているという、ハイリスクローリターンの職場です。
特に、訴訟率の高く24時間体制で診療する必要のある産科や、負担が大きい割に報酬の少ない小児科を選択する医師はなり手が年々減少しており、診療科を閉鎖する公立病院まで出るような始末です。
最近ではローリスクハイリターンを求める若い医師が増えており、ますます診療科による医師の偏在は顕著になっています。

また、医局制度の崩壊により医局に在籍する医師の数が減り、人気のない地方や僻地の病院、医師にとって経験できる症例の少ない病院などへは医師が派遣されなくなったことも医師不足の原因の1つと考えられます。
それは、新たに導入された臨床研修制度により、人気のある病院に研修医が集中してしまい、地方の出身大学に研修医が残らないという点も絡んでいます。
つまり、医師不足はすべての病院で起こっているわけではなく、しかし不足している地方や病院では大変深刻な事態に陥っているというのが現状なのです。

Posted in 看護師不足の現実